O型の人

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まどかは吉田を忘れる事が出来なくて辛く悲しい日々を過ごすことになるのだが、そこに岡野がまどかに言い寄ってくる。 まどかは、精神的に参っていたが、どうにも、岡野の事は好きになれなかった。 だから、表面上の付き合いにとどまっていたのだが、何度も何度も告白をされて、付きまとわれるようになってまどかは疲れてしまい、もうどうでもよくなっていくのだった。 その結果、岡野と付き合う事になってしまうのだった。 何故本気で好きでもない相手と付き合えるのか自分でも分からなかった。 ただ寂しかっただけなのかもしれない。 やがて二人は結婚をして新居を構えて暮らしはじめる。 そんな時、岡野の友人が訪ねてくる。 そして、ドア越しに岡野と吉田の事を聞いてしまったまどかは愕然とした。 「おい、岡野、お前よくやるよな。邪魔な男を飛ばしといて、その女を手に入れるんだからな。あの男は彼女を連れていく事は言わなかったようだな」 「ああ。言えないさ。あいつはまどかを好きだったから、まどかに苦労させるような暮らしは出来ないだろう。私がいる限りはあいつには日の目は当たらないんだからな」と岡野の話声が聞こえてきた。
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