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ドア越しに聞いていたまどかは、愕然とした。
自分の知らないうちにそんな事になっていたなんて思いもよらなかった。
吉田に振られても、まどかはあの時強引にでも付いていくべきだったと後悔した。
まどかは、いまだに吉田の事を愛していた。
夫である岡野に対しては、好きだとういう感情が全くと言っていい程芽生えないのだった。
結婚して一緒に暮らしていけば好きだとういう感情も出てくると思っていたのだが、最近では岡野の子を産むことすらいやだと思う始末だった。
そんな時に岡野の秘密を友人から聞く事が出来て、まどかの中で一つの思いが芽生えたのだった。
それは子供を作ると言う事だ。
まどかは、ドアをノックするとお茶の入ったカップを乗せたトレーを運んだ。
笑顔で岡野の友人を接待する。
岡野の友人はたいそうご機嫌であった。
「岡野お前いい奥さんをもらったな」と上機嫌だった。
まどかは笑顔の下に般若の顔を隠し持っていた。
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