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それからは、色々な話をした。
美弥さんの大学生活のこと、勉強のこと、僕たちの進路相談…。
僕は、シャーペンをくるくると回しながら相づちを打っているだけだったけど
久しぶりだな、美弥さんがここに来るの。
「美弥さん、また文化祭出てくださいね!練習日の予定、また組みましょう!」
佳奈子が元気良くそう言ったとき。
「そのことだけど」
僕が、シャーペンを指から滑らせそうになったとき。
美弥さんが、いつもと違う表情になり、空気を変えようとしていたあの瞬間のこと。
「私、この夏でここを抜けるわ。」
あの瞬間のこと、僕は一生忘れないだろうと思った。
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