傷む彼女と、痛まない僕。

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 生徒玄関へ走り、靴を履き替え学校を出る。  駐輪場に停めてあった小山くんのチャリに跨り、勢い良く漕ぎ出しては校門を潜り抜けた。  全速で走って全力でチャリを漕いだのはいつぶりだろう。  『キミは体温調節が出来ない体質だから、激しい運動は避けるべき』と医師にも先生にも親にも言われ続け、止められ続けていた。  初体験に近い、全力行為。  だけど、倒れるかもしれない等という不安はなかった。  倒れている場合ではなかったから。  そんな事より、吉野さんが心配でたまらなかったから。  吉野さんに、会いたくて仕方なかったから。
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