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「ありがとう。小山くん」
「俺の大事なマイチャリ貸してやるんだから、ちゃんと吉野の事捕まえるんだぞ!! 本当は俺も吉野の事が心配だから、吉野の家に行きたいんだけどさ、振られてるし…。嫌がられるの辛いしさ。正直、全然傷心癒えてないし、北川の事を応援したいと思えるほど心清くもないんだけどさ、もし北川まで振られて、また同じ人好きになるとかまじで嫌。だから、めっさ複雑ながら応援する。親友だしな!!」
『がんばれ』と小山くんがスポーツマンらしい爽やかな笑顔を見せた。
「吉野さん、嫌がったりしないと思うよ。小山くんからの告白、嫌じゃなかったと思う。小山くんから告られて嫌なコなんて、性格腐ってるよ。
小山くんは、やっぱり『正義』だよ。誰がどう見たって正義だよ。僕、頑張って来るね。ダメだったら慰めて。てゆーか、慰め合おうか」
「嫌じゃ、ボケ。つか、見事に振られてるのに、説得力ないしな!! でも、ありがとな。そう言われるの、嬉しいわ。俺、正義だから今日ちゃんと大ちゃんに謝るよ。ホラ、早く行けって。行ってらっさい」
手を振る小山くんに手を振り返して、全速力で教室を飛び出した。
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