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「…私といるとロクな事がないからだよ」
「あるよ!! いっぱいあるよ!! ロクな事だらけだよ!!」
吉野さんが僕から離れて行こうとするのが、どうしても嫌で、不安と焦りで日本語が滅茶苦茶になる。
「…わけ分かんない。もう、嫌なんだよ。北川くんが怪我するのを見るの」
吉野さんは僕と目を合わせてくれず、辛そうに目を伏せた。
「僕は痛くないから、そんな事はどうでもいいって言ったっしょ!?」
「そういう問題じゃない!!」
吉野さんが大声を出して、肩に置かれていた僕の手を振り払った。
「静かにしなさい。ここをどこだと思っているんだ」
そんな僕らを見兼ねた父親が仲裁に入る。
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