傷む彼女と、痛まない僕。

53/81
前へ
/204ページ
次へ
 「お母さんも本田さんの事、知ってるの?」  本田さんと父の様子をただ笑って見ている母に問いかける。  「お父さんが大学生の時には、本田さんと本田くんのお兄さんはもう婚約されてたから、お父さんが本田くんの家に遊びに行くといつも本田さんがいたみたいでね、行く度にイジられ倒されてたみたい。因みに、私たちの結婚式にも来てくれたのよ」  楽しそうに答える母にすかさず、  「呼んでない!! 呼んでないのに『出席してやる』って上から目線で招待状の催促してきやがったんだ!!」  父が過去の不満を爆発させた。  「はぁ!? ご祝儀にどんだけ色付けて包んでやったと思ってんのよ!!」  立ち上がり、父に近づく本田さん。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加