傷む彼女と、痛まない僕。

80/81
214人が本棚に入れています
本棚に追加
/204
 「…北川くん、一人称が『僕』だから急にこういう事しない人だと思ってた」    「何その『僕』に対する偏見。じゃあ、今日から『俺』にする」  「変だよ。しっくりこないよ。『僕』がいいよ」  「変て。…そうだね。今更変えらんない。恥ずかしい」  『クックックッ』と、二人で肩を揺らせて笑い合う。何コレ。カップルってこんなに楽しいもんだったの?  「…これって、ご褒美ですか?」  吉野さんが、僕にキスをされた頬を撫でながら、どうしてくれようか? という程可愛い質問をし出した。  「違うよ。したかっただけ。ご褒美は・…今度スイーツビュッフェ行こっか」  思い付きでデートに誘うと、  「まじか!! いえーい!!」  普段大人っぽい吉野さんが、子どもの様にはしゃいだ。こういう新たな発見も楽しくて、嬉しくて。  そんな吉野さんが、  「北川くんは? ご褒美何欲しい?」  僕にもご褒美をくれるらしい。
/204

最初のコメントを投稿しよう!