第6章 アンジュの世界 ②

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「僕にできることは……?」 早く楽にしてやりたい。 「手伝わせてよ……」 それに このまま一人で 逝かせたくなかった。 僕は震える手を 彼が己を締め付ける手にそっと添えると。 そのままゆっくり動かし始めた。 「可愛い手つきだな」 「仕方ないだろ……」 他人のなんて初めてなんだ。 僕のおぼつかないやり方を からかうようにアンジュは笑う。 必死だった。 だから油断した。
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