不可思議ないきものとの契約

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 シャンベク少年の意識はそのとき突然もうろうとしてきて、 また空腹とのどのかわきがいっせいにおそってきたのです。  シャンベク少年の意識が遺跡の美しすぎる風景ととけていく中で、 あのいやったらしいような声が、 ある不思議な呪文をとなえているではありませんか。 「…この秘密を…墓場まで持って行っておくれ。墓場まで。もし約束を破ったら、君はそこで死を迎えることとなる。」 少年はなかばうつろになった状態で、 その不思議な呪文が耳に入ってくるのをほうっておきましたが、 いきなり死という強い言葉のひびきにおどろいて、 われを取りもどしました。
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