真夜中の訪問者

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真夜中の訪問者

私は用心深い性格で、帰宅したら警備会社の鍵を差し込むと、「お帰りなさい。」と機械音でお出迎え。確かに安全だし、私が「ただいま。」そして振り向いて「おかえり。」をまた私が言ってしまうと一人芝居になってしまう。舞台でもないのに、いちいちやってらんない。就寝前に、もう外出はないと判断したら夜の七時や八時から警備体制に入り、スイッチを入れるが、就寝中の真夜中丑三つ時には私の起床時間になることもあるから、その前辺りに人の気配を感じて、ベッド左手は壁なのに人が立っていたり、反対側にすーっと移動して私は恐ろしくて叫びたくなる「誰。」と大声をあげたくなるが、声が出ない。苦しくて思い切り張り上げた声で目覚めると、その人らしき存在も消え、私の声を思い出すと幽霊声に近い不気味な「だあれ。」だった。しかし、人が実際に侵入したら警備の音が鳴り響くはずであるが、何回も遭遇しても鳴ったことはない。単なる夢なのだろうが、大昔は我が家北東に位置する辺りはお寺があり墓地だったようだ。御近所さんから墓地跡地に住むと、その家は栄えるとも聞いたが、我が家はその場所から外れているし、隣接はしているかもだが、金銭に縁がなく、幽霊が遊びにやってくるだけなのかと、我が家無断侵入には料金を支払って貰いたいものだ。何度も金縛りは勘弁してもらいたい。友人からのメールは頭が疲れてるとそうなるとのことで、確かに悩んでいたりしていた時である。しかし、現れるとメチャクチャ怖い。何度も気配を感じてうなされるのは苦しくて心臓に悪い。一人暮らしを気の毒に思われてるのか、退屈してると勝手に感じ取られてるのか、理由を一度聞いてみたいが、そんなユトリはない。昔、それは我が家ではなく病院だったが、声帯ポリープオペ入院中もお坊さんみたいな人達にお腹を押されて痛くて、古い病棟で、うなされたときは、声を出してはいけないのに思いっきり叫んだら看護師さんが「どうしましたか。」と病室にやってきた。目覚めたら、恐ろしくはなく、このベッドで亡くなった人かなと思い、方角いけないのかと、足元に枕を置いて逆向きに休んだらグッスリ眠れた。その夜飲んだ薬のせいだったかもしれないが。普段は気にしていないし、毎晩疲労困憊で眠るだけだ。次回は有料と北東に向かって囁いてみたが、彼らは、カネ持っていない。
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