私は小さめなので、ねずみちゃんと言うことにしましょう。

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「大丈夫だって!自分のことは自分でできるから!」そういって 山のなかのくらしから一転、いつでも賑やかな街へ住みはじめた。 目標は看護師になること、立派でかっこよくて、いろんな人から名前を呼ばれるようなナースになるんだ!と意気込んで。 こっちでバタンキュー。あっちで、てんてこ。そりゃあ、上手くできたことはあったけれど、大きな口で自信満々と出た自分の背中を思い浮かべると(見えないから思い浮かべるしかない)苦笑してしまう。 賑やかな街には不思議とすぐになれた。 思ったようにはときめきは続かず、でも、退屈はしない。家族がいない、まわりにいない。友達はいるけれど、まだそこまでだもん。 帰省するのをこんなに想うとは思わなかった。恋しいとは、このこと。 電話の一言一言が心にしみるのは、やっぱり離れてみないとわからないわ。 やっとで帰省したとき、 賑やかな街への慣れなんて、すっとんだ。 賑やかな街へ「向かうとき」賑やかな街に帰るんじゃない、賑やかな街に勉強行くんだとその時は強く思ったんだ。 お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、弟とわんこよ。さらりと言ってくれた「おかえり」で、私がニヤニヤしたのをしっているか。
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