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読書をする者にとって好きな作品が同じということ自体ももちろん嬉しいが、何より自分が好きな人と好みが一致したという事実が、他の何を抜いてたまらなく嬉しかった。
その後また少し店内を見て回った俺たちは、キリの良いところで一階へ下り、レジカウンターで会計を済ませた。
「どうぞ、相楽さん」
「あ、ありがとうございます」
本の入った包みを渡すと、相楽さんは観念したように抵抗せずきちんと受け取ってくれた。
読み終えただろうタイミングを見計らって、一度感想を聞いてみよう。
相楽さんとこの本の話ができる未来が楽しみで、俺はとても気持ちが弾んでいた。
この本屋の出来事が運命だと思うくらい、まだ何も気付いていないままに。
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