さようならノワール

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俺は腹這いの姿勢からゆっくりと立ち上がる。 「振り向いてもいいか……?」 「いいとも。この姿がこの世の見納めだ。 死神の姿をその眼に焼きつけるといい」 俺は振り向き様に撃たれても、 すぐさま反応できるように慎重に振り返った。 「標的を撃てば自由。出来なければ組織に残る。 こんな簡単な契約が守れないとはね。 “ノワール”の名が泣くぞ」 「父親の頭を撃ち抜くことは簡単なことなんかじゃない!!」 闇を意味するコードネームに苛立ちながらも、 この人物の姿を眼にしてからは、幾分緊張がほぐれていた。
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