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「バカな……!!」
「残念だったな。
なにもかも捨てて年老いた父親とこの国を出るはずが、
肝心な父親は始末され、君は一生我々の組織
“ゲシュペンスト”
に飼い殺しにされるのさ!
腰抜けの裏切り者め!
いい気味だ!!」
“死神”は耳を塞ぎたくなるような不快な声で大笑いした。
ジッ……チチ……ッ……。
その時、左耳のイヤホンから無線通信の反応が来た。
俺は注意深く内容を確認すると、死神に語りかけた。
「“ゲシュペンスト”は本日ただ今をもって潰滅した──
俺の父親も無事、身柄を確保したよ」
「はっ!何を苦し紛れに馬鹿なことを!」
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