第一章「黒鍵と白鍵」

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授業が終わり、俺は早々に帰り支度を始めた。 賢太「お~い、お前掃除当番じゃねえのか?」 帰ろうとしてたのがあからさまだったのか、 俺を見るや否や掃除当番を押し付けようとしてくる。 俺の当番は昨日だ。 「俺は昨日やった。今日はお前だ。」 声も出すのが面倒な時期だから声をかけて欲しくないのも事実。 俺はこいつを振り払うように教室を出た。 するとそいつは俺の肩をつかんで言ってきた。 賢太「たのむ!!俺今日バイトなんだ!変わってくれよ!な?お願い!」 ふざけてやがる。 俺はこいつをそのままの意味で振り払ってさっさと帰ることにした、が、そのままだとさすがに哀れなので、俺は隣の教室に声をかけた。 「圭助、賢太と掃除変わってやってくれ、俺帰るから。」 『三吉 圭助』、2組の親友の一人だ。するとそっちから声が聞こえた。 圭助「はい?別にいいが、お前今日なんかあるのか?」 「いや、ちょっとした用事だ。」 人に言えないようなことではないが、言いたくは無い。 俺は、不良グループにリーダーとして参加している、 今日はその集会(という名目の遊び)があったのだ。 不良といえど別段悪いことしてるわけでもなく、 ちょっと変わった連中として集まってるだけだった。 なぜ俺がリーダーなのかは、 前のリーダーに切れて殴りかかって一人リンチしたことがあるからだ。 それきりそいつらのリーダーはどこかへと消え、 統率を失ったグループが俺を勧誘に来たという事態。 俺が撒いた種なのだが、正直面白半分で引き受けていた。 前の行動内容を聞くと、それは酷かった。 万引き、スリ、カツアゲ、思いつくことすべてやっていたそうだ。 俺はそんな刺激のためにそんなことをやるつもりは無いと告げると、 連中も少し飽きていたらしく、軽く承知した。
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