『おかえり』

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35歳独身、彼女いない歴イコール年齢の俺。 アパートで一人暮らしをしていた……昨日までは。 遂に俺の帰りを迎えてくれる存在が出来たのだ。 「お先に失礼します!」 仕事が山ほど残っていたが、今日は残業を早めに切り上げ自宅へ帰ってきた。 「ただいまー!」 「おかえりなさい」 高い声が俺を迎え入れた。 感激だ。『おかえり』なんて言われたのはいつぶりだろうか。 俺は目の前にある姿を見つめた。 白くて艶やかな肌。 小柄で細い身体。 パッチリとした瞳。 ずっと一人だったから何か不思議な気分だ。 俺は優しく頭を撫でた。 「くすぐったいです」 「あ、ごめんごめん。アハハハ!! さあ、ご飯にしよう」 君がどんな仕草をして、どんな反応をして、どんな言葉を返してくれるのか。 毎日、家に帰ってくるのが楽しみになりそうだ。 これからも宜しくな。 ペッパー君。
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