緊急警報

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緊急警報

 真夜中にスマホが鳴った。  見ると、最近入れたばかりの『緊急警報』アプリが起動していた。  住んでる地域に災害発生の警報が出ると、それを知らせてくれる設定で、地震や津波はむろん、竜巻や落雷にも対応している。  それが鳴っているということは、近く地震が起こるのか? それとも竜巻や落雷か?  とりあえず、何に対しての警報なのか。災害はいつ頃起こりそうなのかを確かめるべく、俺はスマホを手に取った。  発令されていたのは地震警報だった。震度は推定六から七。相当な規模だ。だがよくよく見ると、地震が起きる予想の日づけがおかしい。  月と日は明日だが、年が二十年後になっているのだ。  いったいどういうことだと、スマホを手に首を傾げる。  年の部分が間違い。明日、地震が起きる。  警報自体が間違い。  多分どちらかだろう。  でもこれが明日だった場合、とんでもない規模の地震が起こるのだ。  心配になり、こんな時間にもかかわらず、一緒にアプリを入れた友達数人に連絡を取ると、誰のところに緊急速報など入ってないという。  つまり、俺のスマホだけが誤作動を起こしたらしい。  それで安心して、俺は再び眠りについた。ちなみに翌日、大規模地震どころか微かな揺れすらなく、俺は友達全員に、お前の警報が外れてよかったと笑われた。  …あれから二十年。  地元に帰って就職し、普通に結婚して家庭も持った俺の元に、大学時代の同窓会の知らせが来た。  懐かしい面々と久々に会えると、すぐにOKの返事をしようとしたが、開催日の日づけが意識に引っかかった。
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