健全な、闇のお仕事

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「…いえ、それでいいです……」 見た目と、やってる事のギャップ。 怖い。 殺されるより、殺されたハムスターの名前を付けられる方がマシだ。 「じゃあ、決まりね♪よろしく、みゆみゆ」 「………はぁ…よろしく…お願いします」 「じゃあ、早速名札作っとけ」 マヤさんの一声で、マリコさんが戸棚から四角い缶を取り出して、私の机の上に置いてくれた。 女組は皆、普段着に近い私服。 それはクライアントの緊張を、少しでもほぐす意味合いがあるらしい。 そして、名前を書いた紙を挟み入れた、透明なプラスチックのケースを、それぞれ首からぶら下げている。 缶の中身は、その道具。 プラケースに紙。 色とりどりのマジックペン。 皆の名札はどんなのだっけ? 私は、一人一人がぶら下げている物に目をやった。
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