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戒斗のくちびるはのどを伝う。
目的地を知った叶多の手に力がこもった。
抵抗しかけた手を両肩の横で縛られると胸が反りだして、遠慮もなく、戒斗は飢えたように咥える。
戒斗の腿に預けた脚は宙ぶらりんになって踏みしめる場所もなく、叶多は身動ぎさえまったくできないまま戒斗の動きを受けとめるしかない。
愛されているというよりは攻められているという感覚に叶多は嗚咽した。
やむことがあるのかというくらいの時間がたったあと、戒斗は顔を上げた。
「叶多、自分でやったことない?」
「……自分で……って何を……?」
ふいの質問に、叶多は荒い息をつきながら惚けて問い返した。
戒斗は叶多の手を離し、濡れた頬を包んだ。
叶多が見上げると、愉悦した眼差しで戒斗が笑みを見せる。
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