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「甘い毒にはそれ以上に甘い、極上の毒が効果的だ」
「怖い……つらいよ」
「つらいんじゃない」
戒斗は手を脚の間に忍ばせた。
啼く叶多にかまわず、弄ると水の音が大きく部屋に響く。
イクことを知らない叶多は、嬲るほど熱を溢れさせるにもかかわらず、叶多自身が云ったようにつらそうな様を見せる。
快楽と苦痛は紙一重なのかもしれない。
男が解き放つ瞬間を耐えるときと同じように。
手もとのシーツを握りしめ、叶多はついに泣きだした。
叶多の涙にはあらゆる意味で弱い。
いま流れる涙は戒斗のなかに加虐的な衝動を突きあげる。
段階なんてもうどうでもいい。
そして、最大の楽しみはまださきに取っておく。
それが最高の選択だ。
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