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戒斗は躰を起こして横になると、息も絶えがちに啼いている叶多の涙を拭った。
左腕を叶多の頭の下に潜りこませ、戒斗の右手はまた手加減なく脚の間を探る。
のけ反ったふくらみに口をつけた。
戒斗の左肩に触れる叶多のくちびるからくぐもって悲鳴が聞こえた。
「イケよ」
その言葉と同時に揺らした指が叶多の感覚を深く沈めた。
そして、今度は高く舞いあがる感覚が続く。
戒斗は汗ばんだ細い躰に手をまわし、叶多がはじめて経験するその瞬間を共有した。
わななく躰をしっかりと抱きこんで、戒斗は叶多の首もとに顔をうずめる。
首筋の脈が躰と同じように痙攣する。
ときにそのふるえに合わせ、ため息が音を立てて漏れた。
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