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「おれも楽しんだ」
「……イカなくてもいいの?」
「楽しみは引き伸ばすほど最大の喜びになるって聞く」
「戒斗?」
「はじめてはつらいらしいから。叶多が勝手にイケるようになったら考える」
「考える……って」
「だからっておれが何も感じてないってことにはならない」
戒斗は叶多の躰の上に覆い被さる。
夕食のときとは違って素肌であるぶん、よけいに感触は明瞭だった。
「あたしは痛くても平気だ――」
「おれの楽しみだ。ベッドのなかなら疚しいことなく叶多を苛められる。若干、自虐的だけど躰のセーヴはきく」
拗ねた気分で、叶多はまた泣きそうに顔を歪めた。
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