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叶多が訂正する間もなく、千里は含み笑いを残して一方的に電話を切った。
まだれっきとしたヴァージンなのに。
訂正するのもいまさらでおかしなことになる。
それはともかく『初夜』という言葉は、またどきどきを思いださせた。
大丈夫と云い聞かせ、ふっと肩の力を抜いたとき、千里が一計ありそうに云った紙袋が目に入った。
和室の入り口に置いた紙袋のまえに座りこむと、真ん中のテープを切って中身を取りだした。
触った瞬間になんだか嫌な予感がした。
いざ目にして、予感が当たっていたところでうれしくもない。
肩の部分を持って目のまえにかざすと、目を凝らすまでもなく向こうが透けて見える。
シースルーのおそらくはナイティを着る勇気などない。
加えて、その手助けをしようといわんばかりに大人なランジェリーが詰めこまれていた。
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