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【2】
「あなたがカンザキサンと、カゲヤマサンね。ハジメマシタ。ケイト・モスリンです。今日は来てイタダイタ、ドーモアリガテー」
若干日本語が誤字ってる気がするが、ケイトは私達に気付くと、挨拶してくれた。
それにしてもケイトの魔術屋敷は、魔術師の館だけに至るところに仕掛けがありそうな気がして少し警戒していたけれど、とても綺麗だ。
なんと言うことだろう。広々としたリビングには趣味のいいテーブルクロスに美味しそうな料理のかずかずに、お酒のかずかずが並び、中央には薔薇のフラワーアレンジメントがエレガントさを演出......
その奥にはカウンター付きのアイランドキッチンがあり、料理をしながらリビングを眺められる解放感溢れる空間になっている。
大型の冷蔵庫に、オーブンレンジ、グラス棚まで完備されている。私もこんな屋敷に棲んでみたいけど、お値段はきっと億単位だろう。
「はじめまして。神埼です。この度はお招き頂いてどうもです」
「影山光です。はじめまして」
「そうでした。お二人に皆さんを紹介しましょう。私のマジック仲間デシタ」
ケイトはそう言うと、リビングの中央まで私達を案内すると今日のパーティーに招待されたマジック仲間を一人一人紹介してくれた。
「私の通ってたブレアウィッチ魔術学校の同級生です」
「魔術学校?」ここにきて魔女っ娘展開はなに? 私は思わず頓狂な声をあげてしまった。
「マジックやイリュージョンを勉強する学校です。まずはキョウスケ・ホンダ。今は学校でナラタマジックの知識を生かしてミステリー作家やってます」
一人目は名前からすると日本人のようだ。
本田京介さんと言うのか、背が高くて細身の男性でお洒落な眼鏡をかけている。本田さんは私達を見ると顔を綻ばせた。
「神埼くんと光さんじゃないか。君達も招待されたの?」
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