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「そうなんですよ。でもこうして日本人の方と会えるとなんだかホッとします」
「本田さんはマジック習ったのにどうして作家に?」
神埼くんは本田さんに訊ねた。
「マジックのメソッドとミステリーのトリックは精通するものがあると思ってね。魔術学校で習った事を本に生かしたくなったんだよ」
確かにマジックとトリックは似ている点はあるけど普通にマジシャンとして成功する道もあるように思う。まあこういう活かし方もあるんだろうな。
「ドキドキ、小説のアドバイスを訊いてくることもあります」
「本田さんはどんな作品を書いてるんです?」
神埼くんは幼い頃にミステリーをよく読んでいたから興味があるのだろう。
「BLが最近は多いかな」
「び、BL?」
ここアメリカは確かに法律上はBLは認めらているし、BL需要も高そうだけど、まさかここでBL作家に会えるとは思わなかった! と言うかマジック、ミステリーと来てそこからどうやってBLになったのかマジック的な人だ。
「『Bの悲劇、Lの歓喜』だよ。良かったら一冊あげよう」
うひゃあ。どっちが攻めでどっちが受けかタイトルで判っちゃうよ。読みたいっ! ケイトの言う通りドキドキ小説だ。本当は時々なんだろうけど。
「有り難くちょうだいいたします!」
私は本田さんからドキドキ小説を受け取る約束をすると、次のケイトの知人を紹介される。
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