2・魔術師の館

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 なんだ。音楽の会社だったのか。期待して損しちゃったよ。 でも待てよ。アイドルのオーディションをすべったのに音楽会社にスカウトされているんなら歌手をやってる筈じゃあ......  「韓国の歌手活動は競争率が高いんです。だからデビューしたらメディア展開を進めていかないと埋もれてしまうんですよ」  「メディア展開?」  「YouTube動画などのメディアもそうですが、バラエティー番組とかの出演も沢山出て知名度をあげるんですが、私は魔術学校で習ったマジックに助けられました」  「まあ、そこに目を付けたのは俺だけど」  私とミンナさんの会話に少し柄の悪そうな男性がワインを片手に割り込んで来た。ミンナさんの話では、どうやらここではミンナさんの出演する番組のディレクターさんのようだ。  名前はリチャード・ビーコン。  『ドンピシャ!』と言う、日本で言う所のドッキリ番組を手掛けているらしく、ミンナさんは町行く人にマジックを仕掛けて驚かせる役をやっているとか。  「噂の二人も俺の番組に出てみないか?」  ビーコンさんは唐突に、出演のオファーをかけてきたけど、寝起きにバズーカ発砲されたり、洋服や下着を物色したりされそうで厭なんだけど。テレビ局自体、私にはいいイメージはないんだよね。  「丁重にお断りします!」  「そうかい。他をあたるとするよ。キョウスケにも用事があるんだ」ビーコンさんはそう言うと本田さんのいる所へ行ってしまった。  
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