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ちょっと、それじゃあ私はずっと体の話をしてたって勘違いしてたってこと? どうしてくれるのよ!
「お二人は本当仲がいいですね。もしかして付き合ってるとかですか?」
周りから見ると私と神埼くんは交際中のカップルに見えるらしい。彼は私のことをどう思っているのかは判らないが。ケイトはそう言って私達を囃し立てた。
「一緒に棲んでます」
神埼くんは即答した。しかもそれまでの課程が飛んでるし。
「まあ、色々事情がありまして」
「でもまあ、ここで結婚して棲んでる野球選手や映画俳優もいますから不思議なことでないです。キュンなとこから恋愛は始まるので、恥ずかしがらなくていいですよ。今日はアマンダも来る予定なんですが、遅れるそうです」
アマンダさんも参加するんだ。
ケイトのファンなんだよね。そうだ。大事なことを忘れてた。パーティーで披露するマジックのこと、神埼くんに確認とらなきゃ。
セットや道具を用意するの私なんだから、知らないとマジック披露どころじゃなくなっちゃうよ。
「神埼くん、今日のマジックのことだけ......」
「ど?」私が神埼くんの方を向くと、神崎くんはウェルカムドリンクを片手に、大皿に盛りに盛ったハムやチキンをなに食わぬ顔でムシャムシャ食べながら食事中の兎みたいな表情でこちらを見た。
「大丈夫だよ。ちゃんと考えてるよ。ほら頭使う為には糖分が必要になるからとっておこうと思ってね」
「アルコールはどう説明するの? 酒飲んだ状態でマジック出来るの?」
めちゃくちゃ不安だ。まさかお酒まで飲んでいるとは思わなかった。
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