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「僕はこの写真の場所からアマンダさんのエネルギーをキャッチしました。アマンダさんはこの場所から犯人に誘拐されたようです」
このやり方は私は反対したんだけど。
エネルギーをキャッチした場所を探して結局見付からず、番組では被害者からの目撃情報を募集して終わるゴールデン番組まがいのマジック。
「僕はこの場所を探してみたんですが、アマンダさんに関する手掛りは見付かりませんでした。が。別の場所から、強いエネルギーをキャッチしたんです。映像となって送られて来たのは、走り去る車のナンバー。車の中の男。アマンダさんの悲鳴。誘拐犯の犯行拠点でしょうか。車はある場所に向かいます」
神埼くんが次の写真にすり替えると、これまで写真に食い付いていた観客が次々と声をあげる。
「俺達は退屈なカミシバイを聞きに来た訳じゃないんだ」
「そもそもこれは霊能番組のぱくりネタじゃないか？」
「元々墜ちたマジシャンだが、とうとうぱくりネタに走ったか。最低！」
言いたいことはすごく判る！
実際に私も神埼くんに突っ込んだけど、心配したていたことが起こってしまった。
「貴重なご意見のかずかず、ありがとうございす！ そうですね。ぱくりはマジシャンの恥です。皆様が仰るとおり、エネルギーを感知した場所の全てにアマンダさんはいませんでした」
神埼くんはそう言うと写真の束を路上にポンと投げた。
神埼くん曰くこれまでの過程は本番のマジックを披露する為の布石であり、余興みたいなものらしい......
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