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プロローグ
「ふふ、誠也ったら」
ある家の台所。まだ誰も起きていない。そこにいるのは、朝ごはんの仕度に2階の寝室から降りて来た母親のみだった。
"それじゃあ、そろそろ皆起きてくるから。"
母親がそうメールを打つと、すぐに返信がきた。
"あぁ、またな。愛してるぜ、英里"
「うふふ」
英里と呼ばれた母親はなんのカバーもついてない、緑のスマホを米びつの裏に隠した。彼女は専業主婦のため、家の家事は一手に担っている。そのため、家族の誰もスマホの存在に気が付く事もなかった。
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