エピローグ

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「何だか、お客様がいらっしゃったそうで、少し遅れるってカレンちゃんが言ってました」 「ふーん」  お客さ  ザパァン 「ぶっは! げほげほっ!」 「あははー、また引っかかったー!」  カレンが後ろから浮き輪を掴んでひっくり返しやがった。俺と、俺の上に乗っかっていたミアも水面に叩き落される。 「このガキ、いい加減にしねーとしばくぞ!」 「あたしを仲間外れにして二人で楽しそうなことしてるのが悪いー!」 「だったら素直に混ざりにこいや!」  いきなり浮き輪から引きずり降ろされるのは心臓に悪いんだよ!  と。 「……楽しそうなことしてるわね」 「お、リッカ」  すぐそばのプールサイドから、リッカが俺たちを見下ろしている。その目はどことなく羨ましげだ。 「こんにちは、リッカ様」 「師匠も一緒に遊ぼー!」 「ええ。そうしたいのは山々なんだけどね……」  どうしてかリッカは目が映ろだ。どことなく疲れているようにも見える。 「まあとにかく着替えてこいよ。水着は持ってきてんだろ?」  リッカはいつもの軍服姿のままだ。どうやら転移してすぐこっちに来たらしい。 「その前に、紹介しておかなきゃいけないやつがいるのよね。……こっち来なさい」  紹介? 何だ? 新しい部下とか? 「どーも皆さん、昨日ぶり☆ 王国軍諜報部所属、ヒガン・カレギシです!」 「」  眼球が真下に落ちるほど唖然とした。 「あ、昨日のねーちゃんだー」  俺とミアは言葉を失う。カレンだけは呑気に笑っていたが。  紫色の髪。妖精じみた顔立ち。リッカのものと似た軍服を着崩しているのは、俺たちのよく知る人物だった。
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