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「な……何つーことしてくれてんだこのアマ! ふざけんな! この十分の一リッカがどれだけ学術的価値、そして大人のお友達への需要があると思ってんだ!」
「そっちこそふざけんな! 私を使って変な商売始めようとしてるんじゃないわよ! 人の尊厳をなんだと思ってんの!?」
顔を真っ赤にして怒鳴ってくるリッカの声からは申し訳なさや罪悪感といったものはまったく感じられない。おのれ! モノの価値がわからないやつはこれだから!
「っていうか何で下着姿まで再現できてるのよ!」
「バカめ、言っただろう俺の記憶をベースにしていると。旅の途中にあったラッキースケベの数々を俺が無駄にすると思ったのか!」
「オーケー解決策が見えたわ。記憶を消し飛ばしてあげるから表に出なさい」
「お、やるのか? いいのか? お前の無敗伝説も今日までだな! 女だからって手加減してもらえると思うなよ!」
「上等よこのバ科学者。頭ぶん殴って胎児レベルまで脳みそリセットしてあげるわ」
「やれるもんならやってみろや脳筋女! その服ひんむいて、より精巧な着せ替えリッカ人形の素材にしてやんよ!」
「お二人とも仲いいですねえ」
「「うるさい! 誰がこんなヤツと!」」
「息もぴったりです」
ミアは頭のネジが数本飛んでいるので、一触即発の俺たちが楽しくお話しているように見えたらしい。
「ああ、もういい。どうでもいいわ。とりあえず四の五の言わずにモンスターたちを討伐してきなさい。それで今回は不問にしてあげるわ」
「あん? おいおい何で俺が謝る立場みたいになってんだよ。頼み事してんのはそっちだろ?」
まったく、この女は現状俺とこいつのどちらの立場が上か理解していないらしい。
「行かないなら、私が今まで融通してた魔法素材の援助は今日で打ち切りね」
「喜んで行かせていただきます」
現状俺とリッカのどちらの立場が上なのか理解して即座に意見をひるがえした俺に、ミアがじとっとした目を向けていた気がした。
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