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「もうさっさと終わらせます。そしてお師様に買い物に連れてってもらうのです!」
「愛されてるな、兄ちゃん」
「飼い主だからな」
「いやそんな犬みたいな」
今にして思えば、ミアを拾ったのは一人暮らししてるときにペットを飼いたくなるあの心理に近かった気がする。
なんて言いあう俺たちの前で、ミアが懐から感応紙を取り出した。もちろん魔法陣が刻まれたものだ。
ミアが感応紙に魔力を流すと、魔法陣が発光し始める。魔力が伝導している証拠だ。
魔力が感応紙の上に描かれた魔法陣をなぞることで、魔力がそこに刻まれたプログラムを認識し、超常現象を起こす。
つまり、魔法の原理だ。
「【ライトニング】!」
ミアが唱えた瞬間、掲げた魔法陣から稲妻が三条飛び出した。それはあっさりと火熊を射抜き、黒こげにしていく。
火熊は反撃として火炎ブレスを放ってくるが、ミアはそれを【アクアウォール】――水の防壁でガード。ふむ、なかなか冷静に対処できているな。
「しっかし、魔法陣ってのは何でもありだな。自分の適性属性以外の魔法も使えんのか」
「む、魔法陣の良さがわかるかおっさん。まあ魔法陣は多様性が唯一の取り柄だからな。そのぶん出力は詠唱に劣るが、しっかり研究すればこんなこともできる」
「おおっ! こ、こりゃすげえ……伝説の剣士、リッカ・タチバナ様をここまで再現するとは」
「あんたならこいつの価値をわかってくれると信じていたぞ。さらにこいつには隠された機能があってだな」
「か、隠された機能……?」
そんなことを話している俺たちの背景では、ミアが奮闘している。
相手をマヒさせる【パラライズ】の呪文で火熊の動きを止め、大技【ブレイズキャノン】の熱線でとどめ。
見事に七体倒してのけたミアがやり遂げた顔でこっちを振り向き――
「見るがいい、この新旧スク水の力を!」
「お、おおおおおお! 露出がそこまで多いわけでもないのに何なんだ、この内から湧き上がるような興奮は……! こんな衣装見たことねえぞ! もっと、もっと俺に新しい世界を見せてくれ!」
「――何やってるんですかお二人は!?」
『十分の一リッカ』で遊んでいる俺たち二人に突っ込みを入れた。
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