第1章 陣痛

10/26
前へ
/34ページ
次へ
そして、その本音を隠したまま祥子の出産に 付き添うのだ。 バッグの中で携帯がバイブレートした。 美奈子は出る気にならず、無視して坐り 続けた。短い間隔で繰り返し着信があった。 バイブレーションの音が気に障って美奈子は 止静を解いた。 祥子からだった。美奈子は大きく息を吐き 出してから電話に出た。 「どうしたの?」 「美奈子? 悪いけど車を回して。」 「急ぐ?」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加