第2章 砂の城 再び

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隠れ家に帰り着くと美奈子はどっと疲労を 感じた。着ていたコットン天竺のワンピース のままベッドに倒れ込んだ。長い夜だった。 祥子の子の産声が耳に残っている。 玄関の戸が開く音で美奈子は目を覚ました。 合い鍵で入って来られるのは一人だけ。 耀達だ。 「あ、起こしちゃったね、ゴメン。」 「今何時?」 美奈子はベッドから這うように出て来た。 疲労で身体が重い。 「九時少し前。」
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