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「そう。それが一番いいと思う。」
「…こんなことがなかったら、オレは
おまえを寺庭に迎えたかった。」
「わたしだって、あなたの子どもを産むのは
わたしだと思ってた。」
「…過去形じゃない。オレは今でも―――。」
「ストップ!」
美奈子は耀達の顔の前で両の掌を広げた。
「わたしを選ばないなら、その先は決して
言ってはいけない。」
「…。」
「世の中なんて所詮こんなものよ。求めた
ものは手に入らない。求不得苦ってね。」
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