第2章 砂の城 再び

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「そう。それが一番いいと思う。」 「…こんなことがなかったら、オレは おまえを寺庭に迎えたかった。」 「わたしだって、あなたの子どもを産むのは わたしだと思ってた。」 「…過去形じゃない。オレは今でも―――。」 「ストップ!」 美奈子は耀達の顔の前で両の掌を広げた。 「わたしを選ばないなら、その先は決して 言ってはいけない。」 「…。」 「世の中なんて所詮こんなものよ。求めた ものは手に入らない。求不得苦ってね。」
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