第2章 砂の城 再び

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わかった。その優しさを祥子は潜在意識下で 見抜き、彼を選んだのだ。祥子は耀達が 自分を選んだことに驚き、感謝するだろう。 無意識のうちに自分が企(たくら)んだとは 気づかずに。 これでいいのかもしれない。美奈子と耀達の 絆はその程度の波で壊れる、やはり砂の城 だったのだ。 「今月末にはここを引き払うから、 それまでに鍵を返して。ポストに入れて おいてくれればいいから。」 「わかった。」 「あなたが祥子と結婚するということは、 わたしはもう祥子の世話係をしなくて
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