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わかった。その優しさを祥子は潜在意識下で
見抜き、彼を選んだのだ。祥子は耀達が
自分を選んだことに驚き、感謝するだろう。
無意識のうちに自分が企(たくら)んだとは
気づかずに。
これでいいのかもしれない。美奈子と耀達の
絆はその程度の波で壊れる、やはり砂の城
だったのだ。
「今月末にはここを引き払うから、
それまでに鍵を返して。ポストに入れて
おいてくれればいいから。」
「わかった。」
「あなたが祥子と結婚するということは、
わたしはもう祥子の世話係をしなくて
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