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心の中で消災呪を唱えていた。
祥子と耀達の間に出来た子など産まれて
来なければいい。親友だと思っていた祥子が
自分の男の子を身籠った。美奈子は行動が
制限される修行僧の耀達に代わって祥子の
健診に付き添い、必要なものを準備して
生活を支えてきた。
もうすぐ産み月に入る。美奈子の役割は
祥子の出産で終わる。耀達が暫暇すれば彼に
バトンを返せるのだ。もう祥子と関らずに
済む。だが、美奈子の心は叫んでいる。
産まれて来なければいい、祥子と耀達の子
など、と。
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