向かった場所は花畑?

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ビンの中身を全て飲み干した頃、扉が目の前にあった。 ふと上を見る。 『キ、キャアア!』 「どうしたんだい、アリス」 平然と答えるチェシャ猫は今の有栖からすれば巨人だ。 「さあ、通れるよ」 口をパクパクさせる有栖に扉を抜ける様に促し、チェシャ猫は茨を飛び越えた。 仕方ない。 そう決心して中へ入る。 そこは何故か一面花畑。 「お乗り、アリス」 そう言って先に来ていたチェシャ猫が手を差し出すから乗れば、肩へ乗せられた。 するとザワザワと花が騒ぎ出す。 「アリス…?」 「帰って来た」 「「「おかえり、アリス」」」 花達が一斉に叫んだ。 その声に有栖は唖然。 「さあ、ゲームを始めましょう」 『ゲーム?』 「ルールは簡単よ」 「アリスは逃げるだけ」 「猫と一緒に」 「私達から」 意味が分からない。 だけど考えている暇はなかった。 四方八方から蔓が襲って来たのだから。 「捕まってるんだよ、アリス」 そう言って猫は飛んだ。 蔓を飛び越え、走る。 だが蔓は何本も追い掛けて来た。 有栖はただ捕まっているしか出来ない。
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