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段々と暗い森の奥に来て、アリスはそういえばとチェシャ猫の肩を叩いた。
「何だい、アリス」
『私はどうしたら元の大きさに戻れるの?』
そう、アリスはまだ小さいままなのだ。
「お屋敷に行けば戻れるよ」
『お屋敷って?』
「公爵達の屋敷だよ、アリス」
『ドコにあるの?』
「森を抜けたらあるよ」
だけどどれだけ見ても森が終わるのか分からない。
仕方なくアリスはチェシャ猫の肩から足を投げ出す様にして座った。
はあ…と溜め息を吐くとドコからか歌が聞こえて来る。
2つの同じ声が歌っている。
アリスはその歌を聞こうと目を閉じた。チェシャ猫は歩む足を止める、アリスが聞きやすい様に。
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