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♪暗い森の奥深く
小さな小屋に住んでいる
見分けはつかない
そっくりだから
誰もが僕らを間違える
当てた人はまだ居ない
僕はダム
僕がダムだよ
僕はディー
僕がディーだよ
僕らを見分けられるかい?
見分けられたらご褒美を
られなかったら重い罰♪
段々とその意味の分からない歌は近付いて来た…いや、もう至近距離。
ガサガサッ
その音と共に彼らは現れた。
茶髪で右が赤、左が青のオッドアイ。まったく同じ顔で同じ背丈、同じ服装の端正な顔の男が2人。
アリスは目をしばたかせた。
「やれやれ誰かと思ったら」
「チェシャ猫さんじゃあありませんか」
わざとらしく敬う様な口調で2人は交互に喋った。
「そして…おや?」
「もしかして君は…」
「「アリスかい?」」
見事に同じ。
感心していたのだが自分に聞かれているとハッとする。
『えと、はい。有栖です』
「やっぱりだよ、ディー」
「やっぱりだね、ダム」
「「ようこそ、アリス。僕らの森へ」」
2人は笑ってお辞儀した。
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