願い事ひとつ

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「帰りまでは秘密」 久保の背中を返し 席へと向かわせる 「けち。」 「どうせ、帰りに見るんだろ? 先延ばしの方が楽しみ増えるだろ」 「確かに…」 久保がシフォンケーキを頬張り アールグレイの香りを目一杯吸い込む姿を見ているだけで満たされた気持ちになる 今日一日で目まぐるしい心の変化を味わったのが嘘みたいだ まさか、自分がこんな願いをしたためるなんて… 振り返り確認する短冊は 久保のとぴったり寄り添っている これから先もずっとあの短冊のように寄り添っていたい 俺の願いはたったひとつ 【運転席への許可がおりますように】 いつか彼女の家族になれることを祈って 終
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