私の兄

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私が小学三年の時に、仕事の都合でニューヨークへ行ってしまったのだ。 当時の私は泣きじゃくったが、すぐに両親がいない生活に慣れた。 それは兄、名塚霧弥(きりや)のお蔭だ。 私には八つ歳上の兄がいる。 両親からの仕送りがあるとはいえ、当時高校生だった兄は受験があるにも関わらず、私の面倒をみてくれた。 兄は私と違って勉強が出来る方なので、あまり心配はいらなかった様だが。 小学四年になった時、私は家事を覚えた。 特に料理を。 流石に今年受験生の兄に負担をかけたくなかったから。 友達のお母さんも協力してくれたから、一ヶ月もしない内にカレー位は出来る様になった。
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