おかえり

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翌日、凱旋祭の早朝から人々の歓喜と熱意で首都オリオールは包まれた。 遠くから勇者様を一目見るために訪れるもの、その客を狙う露店商人や魔物に奴隷として働かされていた元奴隷の人々等がオリオールに集結し、首都の朝はとても華やかであった。 いつもと同じように起床し、てきぱきと朝の支度を整える。 セミロングの髪をくるり、と団子状にし、メイド服に着替える。 鏡で全体を確認し、忘れ物がないかを確認し、不意にドレッサーの上に置いた小さなパールが輝くネックレスに目を止める。 暫時の間それを見つめ、どうしようかを逡巡しながらも、それを手に取り、身に付ける。 「よし。」 部屋を出て、食堂に向かう道を歩きながら、今日の業務内容を考える。 昨日執事長に言われたが、予想外に凱旋祭に出席する者が多く、いつも以上に一人が抱える業務が増えるのだ。 だからこそ、優先順位を考えて業務に当たらないといけない。 食堂に入ろうとすると、 「おはよう、シャル。」 とニコニコと笑みを浮かべる女性が待ち構えていた。 「……おはようございます、ミラさん。」 「なんでここにシャルがいるのかしら?凱旋祭は行かないの?」 またか、とため息を吐きたくなるが、我慢する。 ミラはサラの母親なのだ。
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