最終章

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 「次回は必ず食べていってねだって、もう大丈夫?帰ろう」  「俺さ……」  「待って、今日は何もお前の話は聞かないから」  瑞樹は俺の何がそんなに必要だと言い切れるのだろう。高校生の時は二人でいることに意味があった。少なくともそう思っていた。けれど、俺は最後にこの部屋を去った時の俺とは違ってしまっている。それが理解出来ていないはずはないのに。  戻っても上手くは行かない……それだけは間違いない。  やたらと明るい瑞樹のお母さんに見送られて、何年も離れていた街を後にする。  この街から去った時には黒くて、飲み込まれそうな空だった。そしてそこから逃げたした。今見るその空は不気味に赤く、太陽に焦がされてどろどろに溶けだしたマグマのような色をしていた。
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