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1秒生きれば、可能性が欠落していって、
1歩進めば、未来が剥落していった。
振り向けば、砕けた夢々が僕の歩んだ導となって、それはとても輝いて見えた。
可能性が欠落していく度に僕は輝きを失って、未来が剥落していく度に人々からは負け犬と呼ばれた。
手を開いて、最後の欠片を見る。最早それに輝きはなかった。
でも、それでも、これだけは持っていなくちゃ。これだけは僕が信じていなくちゃ。捨ててきた可能性を、放してきた未来を、無駄にしないために。
それを大事に握った。
もうこれしかない。
そう思っちゃ、進む足が止まる。
まだこれだけある。
そう思えば、胸に切なさが走る。
けれど僕はまだ、歩いている。
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