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ブロロロロロ・・・
数台の観光バスから、如何にも柄の悪そうな学生がドヤドヤと降りてきた。
奈良へ修学旅行に郊外からやって来たのだ。
しかし、この学生達は『修学旅行』とはそっちのけだ。
「シカと俺とどっちが強いか?」
「俺ならシカなんか一撃で殺れるぜ!!」
「シカきもーーい!!だいっ嫌ーーい!!」
「俺なんかこれ持ってきたぜ!!」
「これなら、シカなんかイチコロだぜ!!」
そう、この学校は札付きの不良学校。
先生さえ手をつけられない、
いじめ、恐喝、万引き、薬物、暴走、抗争・・・少年院出身者までいる暴力に長けた超DQNクラスの無法者の集りだったのだ。
ドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤ・・・
学生達はニヤニヤしながら、ワクワクしながら次々と奈良の公園にやって来る。
一歩一歩・・・
一歩一歩・・・
無防備なシカ達に近づいていく・・・
一歩一歩・・・
一歩一歩・・・
「・・・・・・?!」
「ひいっ!!ぽっぽ!!ぽっぽ!!」
ばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさ!!!!!!
その暗幕なオーラに、奈良の寺に屯していたハト達は怯えて一斉に飛び立った。
晴れ渡った空も暗雲が忽ち立ち込め、鉛色のどんよりとした空に変わった。
ドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤドヤ・・・
「?!」
びくん!!
びくん!!びくん!!びくん!!びくん!!びくん!!びくん!!びくん!!・・・
公園のシカ達は、迫り来る不穏なオーラに反応して立ち上がった。
「来る・・・」
「やって来る・・・」
「キャンさん!後ろ後ろ!!」
「・・・?!」
ボカッ!!
「あうち!!」
「大丈夫か?!キョン・・・いてッ!!」
ボカッ!!バスッ!!バキッ!!ドカッ!!
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