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結局昨日はイチャイチャできなかった。付き合い始めで緊張してるのかと思ったけどそうでもないらしく、落ち着いてはいたけれど…………甘い雰囲気にはならなかった。
まだまだこれからだ。焦ってはダメだ。
と思って今日は差し入れを持って訪問。さすがに連日原稿を回収するわけではないので、今日はSEVENとしての彼女を知るための訪問。
今日は火曜日で近くのケーキ屋が安売り。どんなケーキが好きかわからないから、6種類買ってみた。
ピンポーン
「神谷さーん、立花でーす。あ、こんにちは!目障りで邪魔になるかとは思いますが、今日もよろしくお願いしますね」
「あ……あっ、こ、こんにちわっ……ど、どうぞ。あ、目障りなんかじゃない、から。好きに、くつろいでね?」
出迎えてくれた神谷さんはおっかなびっくり?忙しく動き回る紫の目は俺を見ようとせず、パタパタと部屋の奥に逃げて行ってしまった。
とりあえず後を追っていつもの仕事部屋に向かうと、彼女の相棒的存在のパソコンが真っ暗。
「今日はその……夜に続きを書こうと思って。夕方までゆっくりしたいかなって思ってるんだけど、いい?」
「あ、そうなんですか。構いませんよ俺は。そうだ。これ、差し入れです。好きなのを選んでください」
彼女はずっと俺の手元、ケーキの箱を穴が開きそうなくらい見つめていた。差し出すとパァッと花が咲いたように眩しい笑顔。
紫色の瞳をキラキラさせて早速開けて覗き込む。
「これ、食べていい?」
今?お昼前ですよ。でもものすっごく涎を垂らしそうなので苦笑しつつもうなずいた。
チョコレートケーキを手づかみでパクリ。彼女のイメージ、また崩壊。一口食べて幸せそうにニンマリ。大きな口で頬張る。
可愛いですね。いや、可愛いですけども!
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