交差しない?

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交差しない?

薄いレースカーテンが揺れた。 ふわっと鼻孔をくすぐる湿ったにおい。 自然と視線は窓の外。 シャーペンを右手から離しカーテンを開くと、コンクリートに粒が落ち次第に雨色に染めた。 ――――雨か。 風が部屋に吹き込んで雨粒も入り込んでくるのでゆっくりと閉めた。雨は強くなる一方で部屋に雨の音が聞こえた。 何気、嫌いじゃない。この音。 息を外に出しながらベッドへ倒れこんで目を優しい柔軟剤の香りのするタオルで目を覆る。ザァーーっと耳にはいる音が心地よい。 なんだか、眠くなってきたかな。 雨音に包まれ意識を手放す。 「1度、戻ってしまおうか。」 そんな声は雨音にかき消された。
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