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「おかえりなさいませ」
家に帰ると、見知らぬ女が俺を出迎えた。
「あぁ、ただいま。……じゃなくて、お前誰だよ?」
「ひどい人ですねぇ、貴方は。昨日、路頭に迷っていた私を泊めてくれたでしょう?折角優しい人だと思っていたのですが、考えを改めるべきでしょうか?」
……あぁ、そういえばそんなこともあったけ。
「やはり忘れていたのですか?やれやれ、ダメな人なのです」
「何があったかは忘れたが、拾ってやったのは確かなんだろ?だったら良い奴なんじゃないか?」
「貴方、自分で自分を良い奴評価しますか。変な人ですね」
ところどころにトゲを感じるな……
「さっきからお前さ、俺をダメで変な奴にしようとしてないか?」
「いえ?ただ事実を述べているだけですが?」
「クッ、確かにその通りだな……」
「認めちゃいますか……。自分で文句言った癖に……」
「俺は諦めは良い方なんだ」
「そうですか……。まぁ良いです。ご飯を作ってありますので、早めに食べてくださいね」
「おぉ、料理作れんのか、お前」
意外だな……。
「……今、貴方が意外だと思わなかったことを祈ります」
「……べ、別に意外だなんて思ってないからな!」
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